「書と織」展へ2012/06/22 00:27

 先週末、金澤翔子「書と織」展を
見てきた。
NHK大河ドラマ「平清盛」の
あの流れるような動きある題字を書いている翔子ちゃんの書を見るのは初めて。

 会場入った正面に貼り出されていた「力」と「希望」にまず眼がいった。
あ~、ほんと!
字がそのまま「ちから」と「きぼう」を放っている!!
なんで「書と織」展かな??って思ったけど、
主催が織の方なんですね。
弥勒菩薩等の仏が超細い糸で織って額にいらられているのをルーペで
見せてもらった。
(少し遠目ならと許しをもらって携帯で一枚撮らせてもらった)
 「なぜ翔子さんと?」受付の叔父さんに聞いてみたら
社長さんが前々より金澤翔子さんの書字に感動、よく買っていた御縁だそうで、
帯に翔子ちゃんの書いた字が細かく入っている千鳥模様の帯地も飾られていた。
触らせてもらったけど、ほんとに細い糸で織っているから
超柔らかくて締めやすそうだな、
こんな帯して歌舞伎など観に行ったらかっこいいなって思った。
(もちろん、買えませんけど、、、)
書の字を帯に使うのは、、としぶっていた翔子ちゃんのお母さんらしいのですが、
実際の織の現場の大変さと技術を見てOKをだされたみたいです。
会場で最近出た翔子ちゃんの本と
ハンカチを買って帰った。
 
 翔子ちゃんはダウン症で生まれましたが、
書家であるおかあさんより5歳のときから書を習い、
20年程粘り強く無心に書きつづけておられます。
翔子ちゃんはお坊さんたちととても意思疎通が自然なんだそうで、
近年、建長寺や東大寺等で席上揮毫し、
鎌倉の建長寺で書かれた「風神雷神」は
京都の建仁寺の俵屋宗達の風神雷神の屏風近くに奉納されているらしいので
是非見に行きたい。
翔子ちゃんはお坊さんたちの修行、禅の境地である
「両忘」を獲得しているそうで、
つまり、両方を忘れる、過去も未来も善も悪も忘れ、あるのは今だけっていう
境地なのだそう。
お母さんの深い愛と厳しさもすごいです。



絵本「ジョットという名の少年」2012/05/16 16:17

 絵本「ジョットという名の少年」
パオロ・グアルニエーリ[文] ビンバ・ランドマン[絵] せきぐちともこ[訳]
を購入した。(^0^)(うきうきわくわく~)
絵本

 実はこの絵本も 「遅読のすすめ」の中で山村修さんが薦めていたもの。
小さく出ていた絵の雰囲気にも惹かれ手にしてみた。、
 ジョットは700年も昔のイタリアの画家。

 聖書や聖人の話をわかりやすく生き生きと描き、
サン・フランチェスコ聖堂の壁画やスクロヴェーニ礼拝堂の壁画はとても有名らしい。
その天才ジョット少年の話はイタリアでずっと語り継がれてきた話だそうですが、
(羊飼いの少年ジョットはいつも岩や石に炭のかけらやチョークで羊や木や鳥を描き
ひそかに絵描きになりたいと思っていたが、たまたま町に来た有名な画家チマブーエに
思い切って会いに行き、、、、、)
 この絵本に哀愁と郷愁と静かな濁りのない音を感じた。
ゆっくり少しずつ絵の中から小さな発見をみつけ、
想像をふくらますのは大人でもオバンでも楽しい。
 これから育つ子の心を広げはぐくむ気がするから
絵本にはちょっとした哀愁やドキドキ感がどこかに欲しいと思ってる。
この絵本はそんな楽しみな一冊です。
ちなみに同じ画家さんと訳者コンビの
こちらの絵本も
絵本・その2
買っちゃいました。



春探しウオーク2012/04/08 18:04

 やっと穏やかないい天気。
 サポートタイツを履きランニングシューズで
田んぼあぜ道~川沿いの側道~木津川堤防~背割り堤~八幡山~男山と
ちんたらだけど結構な距離を歩いてきた。
20000歩超えは ↓ 初めて!!
活動量計
桜祭り会場ではビールを飲んでコロッケ、たこ焼きをたべたりもした。
桜はまだ5分咲きくらいじゃないかな??
さくら
やっぱり気分が躍らない。
弁当を広げるたくさんの人の方が華やいでいる。

 木津川堤防沿いの土手下でいくらかの「のびる」を見つけ
ちょっと掘り上げて見た。つくしものびるももう旬をいくらか過ぎているように
感じたけどせっかくなので袋に入れ持ち帰ってきた。
野草=のびる
これからやる晩御飯にネギ代わりの薬味として刻んでつかってみるつもり。
 最近鉄板焼きが多いねん。
 材料揃え、テーブルに張りついて動かなくていい。
料理を考えなくていい。
新玉ねぎ、しいたけ、豆腐、パプリカ、お肉、ホタテ、、、
だいたい材料も決まっている。
仲良く食べるというより勝手に食べて~って感じの方が強いかも、、。(苦笑;)

 寝る前の時間を使い4日ほどかけ、
「風の中のマリア」百田尚樹著 を読んだ。

 マリアはオオスズメバチの女王が産んだ娘。
女王の帝国を守る戦士(ワーカー)の一人(一頭)。
人間は出てこない。
 マリアたちが戦って妹たちに食べさせるため巣に持ち帰る
昆虫の肉球。
 この年になって笑われそうですが、私もすっかり昆虫になった気分で
「やめて、食べないで。私にも食べさせないといけないこどもがいるの」

 戦いに勝ってもたった30日ほども生きられないワーカーたちの
厳しい現実を前に潔さを感じる、なんとなく不思議な面白い本だった。
(山の入り口に咲いていた↓タチツボスミレ、、かわいい) 
タチツボ菫



春を前に2012/03/30 14:22

 もうすぐ4月。
 私のかわいい1歳になったばかりのオマゴチャンも
とうとう保育園児になる。
(チョットサビシイ、、、)
 よちよち、ひっくり返りそうになるも、奇跡的に上手に
体勢を立て直し(酔っ払いのおじさんに見えなくもない)(笑)
10歩ほど歩けるようになり、
今が一番かわいいかも。(^o^)
 保育園に提出する健康診断書を書いてもらいに
普段行かない空いている内科小児科診療所へ行って来た。
先生の顔を見ただけで大泣き。
ものすごくアバウトに身長体重測り、聴診器当て、耳喉を見て
「元気だね」はい終わり。
、、、ということで私の役目も少なくなる春これから。
 保育園グッズを手作りプレゼント。
入園グッズ
(このほか、
給食エプロン←ガーゼタオルを折り返して縫い、首にかけるゴムを通しただけのもの)
 夫の本棚から借りてきて読んだこの文庫本。
本

面白くて一気に読んでしまった。
二~三冊出しただけで病死してしまった人らしいのですが、
人に山に自然に、温かい心の持ち主って感じがひたひたと伝わってくる。
原題は「幻の山」だったのを「ファントム・ピークス」に後から変えたみたい。
自然と人の永遠の共存、挑戦、征服、畏敬、愛情の交差する中、
フィクションであって荒唐無稽でないサスペンス性がいい。
当り前のように目の前にある自然を享受していた私達への
警告も鳴らしている。

 起きてしまった放射能汚染の現実も
日本人皆で真剣に対処し、腐海の痛みを皆で受け入れながら
乗り越えて行かなくちゃいけないとこの本を読んで感じた。
私的にはちょっとお奨め本。


最近読んだ本2012/01/24 11:26

本
 12月一月で読んだ本。
読んだというより眺めた、、、ってとこかも。
読んだ端から忘れるも多すぎるし、、、。

 で、小説として一番面白く興味深く読んだのが

宮尾登美子の「錦」

帯の織物、昔の布織りの復元に命をかけた
男の生涯と時代の迫り具合が素敵で
これは一気に読んだ。

「作家の食卓」 これも楽しかった。

永井荷風が七輪で火を起している写真や
壇一雄が肉屋の前で財布のガマ口を開いてる
写真など、
ほんとに食べるのが好きなんだなって感じが伝わってくる。

人となりが持つ独自のオーラが、時代が漂っている。

しかし、奥様に好きなものをリクエストして
作ってもらう作家も含め、
本当に食べること、呑むことが書くエネルギー源なんですね。
 色川武大も開高健も破天荒だけど
好きなもんいっぱい食べて書いて60前後で死んだのね。

これぞ料理本2011/10/16 01:27

 少し前、素敵だな!って手にした料理本。
料理本

新聞記事にも載ってましたが、老舗の京町家を保存していく
(重要文化財に指定されていても)資金調達も
なかなか厳しいようです。
 そんな江戸中期創業の呉服商が生家の杉本節子さんが書かれた料理本。
本の「はじめに」の中、
「わが家に伝わる暮らしの備忘録『歳中覚』には、
年中行事の決まり事や折々の献立などが書き留められていますが、その献立からは
使用人を多く抱えていた江戸の昔は食費を安く抑えて節約に努めることが
生活の要だったことがわかります、、、工夫されたおばんざいは
そんな商家の日々の料理が基本になっています。」
 そのシンプルでなお栄養も考えられた節約術を覗きたくて買った。
とりあえず作ってみた二品。
  ★かんたんひょうず(冷蔵庫にあったものでしたから野菜が少し違う)
ひりょうず・材料

揚げてるひりょうず
  ★ごま豆腐
ごま豆腐・材料

ごま豆腐

おくどさんで走り回って料理していた老若女衆は何人ほどだったでしょうか。
喧騒や湯気や下駄の音が少し感じられるような気がします。
今年のお節はこの中から幾品かつくってみようかしらん。


「昔日の客」を読んで2011/09/19 23:28

「昔日の客」
  関口良雄著
 全然知らない人ですが
タイトルの言葉と本の装幀の美しさ、さわり心地の優しさに
2200円と言う定価に手がしばし逡巡しつつ、
うきうきわくわくドキドキ買った。
 (↑後ろ表紙)
 東京大森の古本屋「山王書房」店主の随筆集。
古本屋でなかなか手に入らないけど読んでみたい人が多く
高値になっていると言うので
心を痛めたご子息、奥様、夏葉社の島田潤一郎さん等が
平成22年に32年ぶりに復刊された本のようです。
 筆者は大正7年生まれで、
多くの有名作家との交流も魅力ですが
「最後の電話」って小話に著者の魅力を感じた。
 入院している作家の尾崎一雄を見舞いに訪れた時、
何か面白い話はないかと問われ
奥さんが厠に入っているときの音が
哀切限りない響きに聞こえたと言うくだり、、、、。

「女房のゆばりの音や秋深し」
 関口さんの優しさ、強さ、、太さ、切なさ、
ちょっと感じるエロチズム(艶味)が
何とも魅力的に感じられた。
 全く偶然出会えた、心地よい本だった。
 
 さて、今年1月、
友だちの最後の残りお蔵、着物生地で、
単衣の着物を頼んでいたのが
「出来上がったから取りにおいで」
言うことで行って来た。
生地代2万円、仕立て代1万円で作っていただいた
私最後の新調着物。
なぜうまく着られもしない着物にこだわるか。
自分でもよく解っていないけど、
大切にしたい感性が隠されている気がするからかしらん??

しかし、あまりの蒸し暑さに我慢できず、
汗染みがつくのも気になって、着付け練習だけで
すぐ脱いじゃいました。




いねむり先生2011/09/10 23:01

 伊集院静の「いねむり先生」を読んだ。
 作家・色川武大(マージャン小説等のペンネームは阿佐田哲也)への
敬愛を書いた自伝的な でも小説。
本
 伊集院が取材に対し「小説ですからフィクション90%
大好きな先生ですから真実90%」と言ってるのが
何かこの小説の味わい、妙を言いあてているように感じた。

 伊集院が新婚の女優である妻を病気で亡くし、
心の闇からなかなか抜け出せず
お酒とギャンブルに明け暮れているとき、
先生と出会い二人で競輪の旅打ちをしながら
少しずつ自分を取り戻していったこと。
 先生は一度も何かを強要せず「大丈夫だよ」という。
 どんなときも、
どこかに必ず自分を助けてくれる人がいるという事実。
 伊集院も色川も自分の中の狂気と共存しながら
「自分はだれかとつながりたい。
人間に対する優しい感情を失いたくない」
そうしたふれあいの中でゆっくり立ち直っていくお話。
世論や常識にとらわれない自分の目の優しさを磨けってことかしら。
 
我が生後6カ月を迎えた
風呂上がりのいねむり先生!
我が家のいねむり先生
よき人生を!