ぼくもいくさに征くのだけれど ― 2006/02/20 16:50
「ぼくもいくさに征くのだけれど」
竹内浩三の詩と死
稲泉連著
(第36回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作)
病気中、これならお母さんも読めるよって娘が貸してくれた本。
かつて自分も「愛国少年」だったと、インテリ爺さんたちが口をそろえて
いうのを、「へぇー、○○先生でも!」って驚いたことが嘗て何度かある。
でも、竹内浩三は1945年4月、フィリピンのルソン島で戦死しているけど、
残され、書き留められた文字、言葉、殴り書きには
何者にも迎合できない、迎合しない、
「竹内浩三」という一人の若い青年の自分自身の生きる方法とし、
書きなぐっておのれを昇華するすべとしてきたものとして
残されている。
姉によって大事に保管
(これがすごい、浩三から残しておいて欲しいとも言われたらしい)され、
いろんな人を感動させ、
すべての殴り書きが「全集」としても出版されているらしい。
読んでみたい気もする。
しかし稲泉くんの若い感性が60年前の竹内感性とダブって
この単行本もみずみずしい。
この感性は特異なものでもなく、自分の娘たちも持っているもの。
絡まって不透明な部分が多いだけのような気もする。
人間の本質は、
それぞれがちゃんと自分を見据える作業をコツコツ続ければ
本人が思うよりピュアだ。
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