母に内緒で2010/06/21 12:51

 週末、老いた母のいる実家に帰ってきた。
 いつもバタバタとんぼ返りするか、
実家でお泊まりだけど、
今回、少しゆったりしたいなぁと、ネットで予約して温泉旅館を
めざすことにした。

 母には「泊って行かんの?」がっかりされたけど
用事があるねんと嘘をつき (ごめんね、かあちゃん!)
バタバタ掃除、洗濯、料理、入浴とすませ、
「ちょっと座らんかい」怒られつつ、、、、。
 それでも、
白内障が進み、手紙や新聞の読みづらくなった母に
母の妹さん(母より14歳ほど下)から来た
絵手紙(とても上手で感心した)を
3~4通「ゆっくり読んでや」の声に合わせ、
丁寧に読むと喜んでくれた。
 ちょっとうすら呆けが始まってお薬を飲んでいるから、
たぶん、姉たちも読んでくれていると思うけど、
全く忘れちゃっているみたいで、
はは
「いつも、字が見えづらく、
老眼鏡も合わなくなって、感で読んでるから
これでよ~わかった、ありがとう」
いうてた。
 入浴もだいぶ力が入らなくなってきて、
こちらに体重がかかる比率が高くなってきていた。(-_-;)
(デイサービスでさんざんぐずって拒否していたけど
やっと入浴が受けられるようになったから安心だけど)
 それでも、娘の名前や人物を間違えることはありません。
きつい言い方もほんと!しなくなりました。
あ~母さん、ほんま、ごめん!思いつつ、どっかで遊んで待っている
ダンちゃんとの待ち合わせ時間が気になり、
(母は、連れ合いが来るのを気を使うのが嫌と言って嫌う、、)
夕方前、気もそぞろに、
心は、知多半島最南端、師崎にある「花乃丸」宿泊へ。
料理1

 ネット予約の時、指先はどのプランにしようか
たまだもん、リッチにしようか?とうろうろ動きまわったけど、
やっぱり身の丈に合わせ、リーズナブルプランに。
(短くても立派な脚が付いているし、
料理2
部屋食じゃなくても
露天風呂付きでなくても、
露天風呂
大浴場付き露天風呂で十分や)
日曜はうきうきぐるり、遊んで心の洗濯をしてきた。
続きはあとで。(*^_^*)


新美南吉記念館へ2010/06/21 14:16

 翌日、知多半島東海岸沿いの道を北上。
 魚太郎という土産物屋を覗き、
たくさんの新鮮魚類をキョロキョロ眺め、いろいろ欲しかったけど
ワカメや海苔、モズクなどあまり傷みそうもないものだけ
買った。
 それから半田市の新美南吉記念館を目指した。
 新美南吉は戦前、若くして病死した
童話作家(ごんぎつねや手袋を買いにの作者)で 詩人。
 7~8年ほど前、名古屋のほりべえさんにいい処だよって聞いていし、
チェックしてたけど、
一度立ち寄りたいと思いつつ、
足を運んだことがなかったので
今回一番の楽しみ。
 新美南吉記念館。
 地下に降りる感じのシンプルな曲線の建物と
(建物の上も芝生におおわれているように見えた)
新美南吉記念館
横の整備されてない雰囲気の「童話の森」がマッチし
静かな空気が流れているようでとてもいい雰囲気。
 地下に少しなだらかな階段を下り、そこから入館し、
昭和18年、29歳の若さで喉頭結核で亡くなった南吉(本名正八)の
若々しい写真が、左斜め正面に、右手受付よりも先に
一番に目に飛び込んだ。

 あら、とてもいい男だったのね。
新美南吉写真
(写真:買った本 新美南吉代表作集 半田市教育委員会編集より撮影)
4歳の時、母を病気で亡くし、
ずっと母の面影を抱いていたという、
さびしさを心の奥にたたんでいる感じが
生真面目そうな顔の中に隠されている感じがした。

童話ってめでたし、めでたしより、
ごん狐みたいに、罪滅ぼしに栗を運んでいった先で
鉄砲に撃たれて死んでしまう終わり方の理不尽さの方が
なんで??なんで??って子ども心に心に残りますね。
(マッチ売りの少女もしかりですが、、、)
そういうのってとても大事な気がします。
南吉作品集より

またゆっくり、本を読みながら、
南吉さんを偲んで想像力を膨らませ、恋してみるつもり。
童話の森入口
(写真: 童話の森入口にある手袋を買いにのオブジェ)